メンター制度 コラム4

前回の人財育成と「メンター制度」(3)では「コーチングとメンタリングの違い」をテーマとしてとりあげさせていただきましたが、今回は、「メンターの姿勢」について書かせていただいます。

メンターの役割を果たす為には、メンターとしての“在り方”を明確にしておかなければなりません。基本姿勢さえしっかり持っていれば、方法論やスキルが完全で無かったとしても、目的の大半は達成することができます。ここでは、五つの心構えをご紹介します。

●受け入れる

メンティを一人の大切な人間として心から受け入れることが大切です。『この人はダメだ!』とか『こんな人は教育しても仕方ない!』などのネガティブな考えを絶対に持たないことです。緊張しているメンティ、喜んでいるメンティ、何かで失敗をして意気消沈しているメンティ、…そんなメンティの全てを受け入れることによって、心のベルトをかけることができ、信頼関係が強くなっていくのです。また、『男は・・・あるべき』とか『女は・・・あるべき』または、『新人は・・・あるべき』というような固定概念を持たないことも大切です。

●可能性を信じる/ポジティブにとらえる

組織と個人には無限の可能性があるということを心の底から信じることです。そう信じることによって、限界を設定することから起こるネガティブな発想をなくすことができます。実際、個人もその個人の集合である組織も常に変化し続ける存在であり、良い変化か悪い変化かは、そこで働く人々の意思で決まっているのです。自分に対しても、メンティにたいしても同じく可能性は無限にあると信じて行動することが大切です。

●長期的な視点を持つ

メンティの強みや夢・志を十分に理解した上で、そのことを視野に入れてメンティが目前に抱えている問題を解決するという姿勢です。どうしても短期的な結果に目を向けがちになりますが、本来の強みや将来の方向性を常に意識しておくことで大局的なアドバイスができ、メンティにとっての本当に役立つ支援をすることができるのです。また、まだ夢を描けていないメンティに対しては、夢を持てるように支援することも大切です。

●支援への情熱を持つ

まず、“管理”しようという発想を捨て去ることです。外からコントロールしようとするのではなく、メンティが自らの意思で行動をするように持っていきます.自己決定することが責任意識を呼び起こし、本当の自立(律)人材となっていきます。そして、何よりもメンター自身がメンティを支援することに喜びとやりがいを感じることが大切です。

●確実に成果を出す

人は誰でも“成功体験”から自発的なモチベーションの発露を見出します。小さな成功体験を積み重ねていくことが、メンティにとって貴重な出来事となります。うまくいった時にかける“一声”で“やる気”が起こったり、“パラダイム”の転換が起こったりします。その意味で、メンタリングで何かがうまくいくという体験を共有することは、部下との信頼関係を築く上で大変重要だということです。

今回は、「メンターの姿勢」について書かせていただきました。今後もメンター制度についてのコラムを掲載していきますので、よろしくお願いします。ご購読いただき、ありがとうございました。