シニアメンターとしての関わり方  “なぜ、いま、シニアメンター?”(3)

ここでは、40〜60代の経験豊かな社会人が「シニアメンター」として、若手・中堅・後輩とどのように関わればよいのか、そのポイントをまとめます。キーワードは「シニアメンター」「セカンドキャリア」「若手育成」「人材育成」「メンタリング」です。

 

  1. シニアメンターに期待される役割

シニアメンターは、豊富なキャリアと人生経験を背景に、次世代の成長を支える「人生と仕事のナビゲーター」です。

  • 若手・中堅社員の悩みや不安を受け止める「安全基地」
  • 経験から得た知恵や教訓を、押しつけではなく「選択肢」として渡す存在
  • 会社の歴史・文化・価値観を、次の世代につなぐ橋渡し役

肩書や権限ではなく、「人格」「信頼」「人間性」で影響を与えるリーダーシップが、シニアメンターの特徴です。

 

  1. 「教える人」から「聴き・引き出す人」へ

シニア世代はどうしても「教える」「アドバイスする」役割に慣れていますが、メンタリングでは聴いて引き出す関わり方が重要になります。

  • まずは相手の話をじっくり聴き、「何に困っているのか」「何を大事にしたいのか」を理解する
  • すぐに正解や経験談を語るのではなく、「あなたはどうしたい?」「他にどんな考え方がある?」と問いかける
  • 自分の経験を話すときも、「だからこうしなさい」ではなく、「自分はこう考えたが、あなたはどう思う?」とボールを返す

これが、「何を言うか」から「どう考えさせるか」へのシフトであり、自律的な人材育成・人材開発につながります。

 

  1. シニアメンターだからこそできる若手育成

シニアメンターは、単なるスキル指導ではなく、キャリアや人生全体を見渡した伴走ができる点で大きな強みを持っています。

  • 若手の「仕事観」「働く意味」「キャリアの不安」をテーマに、じっくり対話する
  • 自身の失敗談やキャリアの迷走経験もオープンに語り、「完璧でなくて良い」という安心感を与える
  • 「今の経験が将来どう活きるか」を一緒に整理し、長期視点での成長イメージを描く手助けをする

これにより、若手社員は「目の前の仕事」だけでなく、「自分の将来・キャリア形成」とメンタリングを結びつけて考えられるようになります。

  1. セカンドキャリアとしてのシニアメンター

シニアメンターとしての関わり方は、社内だけでなく、セカンドキャリアや社外メンターとしても広がりを持ちます。

  • 自社のメンター制度での活動からスタートし、後に他部署・他社・地域コミュニティでのメンタリングへ広げる
  • 定年後や役職定年後に、「シニアメンター」「社外メンター」「若手支援コンサルタント」として活動する
  • コーチングやキャリア支援の学びと組み合わせることで、「メンタリング+コーチング」ができる専門家として付加価値を高める

「シニアメンターになること」は、自分自身の人生後半をどう生きるかを問い直す、重要なキャリア転換にもなります。

 

  1. シニアメンター養成講座で学べること

シニアメンターとして関わるためには、経験だけでなく、メンタリングの理論とスキルを意識的に学ぶことが効果的です。

  • シニアとしての役割認識(シニア活躍・DE&I・人的資本経営とのつながり)
  • 若手・女性・多様なバックグラウンドを持つ人材へのメンタリングのコツ
  • 傾聴・質問・フィードバック・1on1メンタリングの実践演習
  • 「仕事観」「人格」「人間性」をテーマにした対話ファシリテーション
  • 自分のセカンドキャリアや「シニアメンターとしてのビジョン」を言語化するワーク

このような学びを通じて、「長年の経験」を「次世代の成長を支える力」に変えていくことが、シニアメンター養成講座の狙いです。